
4橈骨遠位端骨折
手をついて倒れるとおこる骨折です。普通、手首のやや手前で折れ、それより先の手の部分が背側へずれ、全体的にフォーク様の変形が見られます。すれを直してギブス固定をします。固定期間は約1ヵ月です。
手指の部分はギプスに巻き込まず、動かせるようにして、指の屈伸をしっかりと続けることが大切です。そうしないと、骨がついてギプスがとれても、指が動かず、たいへん不自由になってしまいます。関節が固まって動かなくなった指の治療はお年よりではきわめてたいへんです。
5脊椎推体骨折
特別なけががなくてもおこる背骨の骨折で、普通、手術の対象とはなりません。2〜3週間の安静で背中や腰の痛みは軽くなります。多少痛くても早めに動き始めるほうがからだのためにはよいものです。この骨折が多発性にくると背中が丸くなります。
寝たきりを防ぐ骨折後の生活
骨折は多少変形して治ったり、固定や安静にしているうちに関節が固くなったりして、関節の動きが悪くなることがあります。肩では腕が高く挙がらないとか、手首では屈伸が制限されるといった障害、股関節部の骨折では正座しにくい、あぐらがかけないといった障害がでることがありますが、骨さえついてしまえば、ほぼもとの生活に戻れます。
人工骨頭の場合に問題になるのは脱臼で、手術して3ヵ月ほどたてば安定はしてきますが、それでも股関節の周りの筋力が弱い場合には日常生活動作で脱臼しないとは限りませんので、深くしゃがみこむ動作はしないほうが安全です。
また、人工骨頭が入っている大腿骨に骨折が生じると治療がむずかしくなりますので、転倒しないように十分注意する必要があります。
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